実はこのブログを始める前まではYouTubeチャンネルを運営していた。
正確にはチャンネルは閉鎖していないし、将来的には再稼働させたいと思っているので「辞めた」というよりは「休止」に近い。
始めた理由とやめた理由など、判断と意思決定の流れを書いていくので、旅行系YouTuberを始めようか迷っている人にとって、この記事が参考になればと思う。
目次
- やっていけると思った根拠
- やってみて分かったこと
- 自分の歩むべき道ではない
- 代案としてのブログ運営
- まとめ
■やっていけると思った根拠
私がYouTuberとしてやっていけるか判断するには主に以下の２つが必要だと思った。
- 十分な収入が期待できるか
- 面白い動画を量産できるか
これらをどちらもクリアできるかどうか検討することにした。
十分な収入が期待できるか
YouTuberの収入は「死ぬほど稼いでいる少数派」と「薄給でアルバイト暮らしの多数派」だと思っていた。お笑い芸人のように。
高学歴なので結構打算で人生の進路を選択することが多く、可能性の限りなく薄い道を歩むのはどうしてもできなかったのだ。
しかし、自分たちの稼ぎを公開するYouTuberたちによれば、年収の分布は上記のような二極化ではなくグラデーションであるらしい。
たとえば「登録者10万人で年収1,000万前後」だという。
※もちろん再生回数や視聴維持率などによって大きくブレが生じることは百も承知
ここで高学歴・低収入男は
「え？思ったよりハードル低くね？」
「ヒカキン、はじめしゃちょーは無理でもこれならいけるかも？」
そう思うのであった。
いくら年収100万円と1億円の間にグラデーションがあるとはいえ、圧倒的に低収入の方が多いという事実は変わらないのに。
悲しいかな、高学歴低収入ピーポーはなまじっか大学受験での成功体験があるので優秀な人間であると錯覚してしまい、YouTubeでも成功できると思ってしまうのである。
とはいえそこは高学歴、これだけでは突っ走らない。
「じゃあ実際どれくらいの質・量の作品を世に出せば登録者10万人にいくんだろうか」と考える。
こうして市場をリサーチすることにした。
面白い動画を量産できるか
すでに旅行系YouTuberとして活動しているチャンネルをあさってみたところ、以下のような調査結果となった。
| チャンネル名 | 初投稿からの 経過日数 | チャンネル 登録者数 | 投稿本数 （本） | 投稿頻度 （本/月） | 面白さ （5点満点） |
| スーツ交通 | 約8年半 | 50万人 | 2034 | 20 | 4 |
| おのだ | 約3年半 | 25万人 | 1195 | 28 | 2 |
| Kuga くが | 約3年半 | 10万人 | 129 | 3 | 1 |
| Robbie Lounge | 約5年 | 5.5万人 | 312 | 5 | 1 |
※当時。今は経過日数、登録者数とも増えている。
※面白さは私の主観
サラリーマンとして働きながら上位2チャンネルのように月20本以上あげ続けるのは無理だと思った。
しかし、月5本ならどうだ。週に1本あげればよいのだ。
これならいける。そう思った。量はクリア。
面白さについてはどうか。
正直な話、おのださん、Kuga くがさん、Robbie Loungeさんの動画は私にとって全く面白くなかった。（←超失礼だがあくまで主観的な感想であってディスる意図はない。遊戯王が好きな男子小学生が不倫モノの昼ドラに興味を示さないのと同じである。）
しかし、彼らの動画を面白いと思って視聴し、チャンネル登録者がいるということは、似かよった動画を投稿すれば同じようにチャンネル登録者数を稼げるとうことだ！そう思ったのである。愚かにも。
ともあれクオリティもクリア。
■やってみて分かったこと
こうして甘い考えのもとチャンネルを開設したが、結果としては冒頭に書いた通りうまくいかなかった。
1年半ほど運営してみて登録者は600人ほど。収益はゼロだ。
やってみて分かったことや、そうなってしまった原因を自分なりに振り返ってみる。
①撮影がはずかしい
旅行系なので撮影は当然家の外。屋外だったり宿泊先だったりで行うことになる。
そうすると一人でiPhone片手に動画を撮り、ブツブツと独り言をしゃべっている男の出来上がりだ。
この状況のなんと恥ずかしいことか。
「なんであいつiPhone片手に動画とってんだ？」とか
「あいつ一人でぶつぶつとしゃべって何やってんだ？」とか
思われてるだろうなーと思うとはずかしいし、堂々とできないのだ。
撮影許可をとればある程度は改善するかなと思い、ホテルのお問い合わせフォームから連絡してみたが回答は
「他のお客様のご迷惑になる可能性もあるためご遠慮ください」
とのこと。
うーん、なるほど。
理由はどうあれ、無名YouTuberは断られるんだなと学び、こっそり撮るスタイルを継続するしかなかった。
※そのホテルは断られてしまったので撮影はできなかったが、別のホテルに行くときは撮影していいか聞かずに撮影をすることにした。
こうして撮影することへの心理的ハードルが高くなり、「撮影したくない」という気分になっていったのだ。
②時間かかりすぎ
旅行系YouTuberはホテルに泊まったり旅行をしたりするので1回の動画のために一泊とか二日とか時間をかける必要がある。
また、面白い出来事を撮り逃したくないという思いから基本的には撮影しっぱなしというスタイルになり、撮影時間も長くなる。
さらには、撮影時間が長くてもその中で使える場面は限られているので編集の段階で厳選する時間が必要になる。
3時間、4時間の素材を全部見て、改めて今回使う場面をピックアップするので編集時間もそれだけのびる。
移動時間、撮影時間、編集時間、どれも長くなるという事態に陥ってしまうのだ。
YouTuberはできるだけ動画を量産したほうがいいのに、それがしにくいという構造になっている。
③お金かかりすぎ
移動にかかる交通費、宿泊費、施設利用費、食事代、飲み代など、必ずお金がかかってしまう構造なのは想像に難くない。
登録者1000人未満のチャンネルはそもそも収益化ができないので当然すべて赤字になる。
収入はないのにお金はバンバン出ていく状況。もはや趣味で旅行しているレベル。
将来への投資と思いながらも成功は保証されていないし今の給料も安い。
不安だけが募っていって、期待が高まらない状況が続いた。
④作っていて楽しくない
最後にして最大の理由はこれだ。
まじで動画を作るのが楽しくない。
単に旅行を楽しむのとは違って常に動画投稿のことを考えているので気は休まらないし、すでに書いたとおり恥ずかしい思いをしないといけない。
1人で旅をしているので会話する相手もいないし、iPhoneは撮影に使っているのでNetflixも２ちゃんねるもみられない。
加えて編集中も面白くない。
基本的に自分の予想していないトークや行動が起きたときに笑いは発生するのだが、動画中の登場人物は自分しかいないので、予想外のことが起きるはずもなく、面白くないのだ。
■自分の歩むべき道ではない
以上のことから動画作成のモチベーションが全く上がらない日々が続いた。
もちろん、上げた動画の再生数が良かった時は嬉しかったが、それがモチベーションにつながることはなかった。
お金のかからないように安ホテル中心に撮影したり、職場から近いところをチョイスしたりと手は打ってみたが、そもそもの「作っていて面白くない」という理由がデカすぎてすべてを打ち消してしまう。
旅行系YouTuberは自分が歩むべき道ではないなと実感したのだった。
■代案としてのブログ運営
しかし、これで人生の挽回をあきらめるほど私の心は折れていなかった。
ただ単に一人で旅するYouTubeが自分に合わなかっただけで、それ以外の方法で稼げるようになればいいのだ。
そして①恥ずかしさ②時間③お金をすべて解消する手段としてブログ運営をやってみようと思ったわけだ。
根本の④楽しさが解消されているかどうかはまだ実験段階なので確認はできていないが、今のところYouTubeよりはモチベーションが続きそうな印象だ。
■まとめ
はたから見れば「今更YouTuberなんてムリでしょ」とか「あきらめるの早」とか思われるようなストーリーかもしれない。
しかし私にとっては「旅行系Youtuberが自分には合わなかった」ということが確認できたし、そういう意味で無駄ではなかったと思っている。
それにこのブログ記事を書くネタとして一つ貢献できている。
この記事を見ている皆さんが旅行系YouTuberを目指すときに、こういう事態が発生するかもしれないんだなと、判断する材料になれば幸いである。
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