相手に伝わらない話し方3選

仕事術・副業

ビジネスシーンで「何言ってるか分からない」と言われたことはないだろうか。

今日はつい無意識でやってしまいがちな「伝わらない話し方」を3選ご紹介したい。

■一文が長い

・修飾関係を追うのが大変

これは口頭・活字問わず影響してくる。

日本語は動詞が最後にくる文法だから、一文を聞き終わるまで起きた出来事が何か分からない。

話し手としては一文にまとめた方がまとまっていてキレイと思っているのかもしれないが全く逆。

短い方がまとまっていて分かりやすいのだ。

一つ例を紹介しよう。

Aは「映画ウォッチ」というブログに掲載されていた映画「トップガン マーヴェリック」のあらすじ。

Bは同じ映画のあらすじだが一文にまとめたものだ。

A

アメリカのエリート・パイロットチーム“トップガン”は、エースパイロットたちをもってしても絶対不可能な任務に直面していた。ミッション達成のため、白羽の矢を立てられたのは、伝説のパイロット、ピート・“マーヴェリック”・ミッチェル海軍大佐。米海軍過去40年間において空中戦で3機の敵機撃墜記録を持つトップガン史上最高のパイロットだ。しかし常識破りの性格と、組織に縛られない振る舞いから、一向に昇進せず、現役であり続けるマーヴェリック。なぜ彼は、新世代トップガンと共にこのミッションに命を懸けるのか?

「映画ウォッチ」より引用 https://eiga-watch.com/top-gun-maverick/

B

アメリカのエリート・パイロットチーム“トップガン”は、エースパイロットたちをもってしても絶対不可能な任務に直面していたため、ミッション達成のため米海軍過去40年間において空中戦で3機の敵機撃墜記録を持つトップガン史上最高の、伝説のパイロット、ピート・“マーヴェリック”・ミッチェル海軍大佐に白羽の矢を立てたのだが、彼は常識破りの性格と、組織に縛られない振る舞いから、一向に昇進せず、現役であり続けており、新世代トップガンと共にこのミッションに命を懸ける理由が明かされていく。

どうだろうか。

どちらも書いてある内容はほとんど同じだが、話の入ってきやすさがまるで違うと思う。

Aは一文で一つの出来事を伝えているのに対し、Bは二つも三つも出来事を盛り込んでいるから修飾関係を追うのが大変である。

また、Bでは主語が途中でトップガンからマーヴェリックに変わっている。

この変わり目のところも非常に読みづらい。

聞き手としてはトップガンの動作を追っていけばよかったものが、突然マーヴェリックの動作を追わなければいけなくなるからだ。

しかも一文がまだ終わっていないから「またトップガンの動作が説明されるかもしれないぞ」と身構えていなければならなくなる。

これをされると脳はめちゃくちゃ疲れる。

・主語が変わると分かりづらい

対して、一文を短くすれば主語の入れ替わりが起きることもない。

別の例を見てみよう。

・太郎は電車で家に帰った。
・太郎は玄関のドアを開けた。
・花子が「お帰り」と言って出迎えてくれた。
・花子が突然、太郎の顔面にパンチをした。

この4つの出来事、それぞれ何が起きたかこれ以上ないくらいに分かりやすい。

ここまでぶつ切りにすると少々稚拙だが、伝える力がないと思ったらこのくらい細かくしてもいいと思う。それくらいビジネスでは分かりやすさが大事だ。

一般的な文章にするなら、

・太郎は電車で家に帰って玄関のドアを開けた。
・花子が「お帰り」と言って出迎えてくれたが、突然顔面にパンチをしてきた。

といった感じだろう。

このように、動作の主体が一緒ならまとめても読みづらくなりにくい。

この例では「家に帰った」のも「ドアを開けた」のも太郎だから一文でも読みやすい。

「出迎えた」のも「パンチをした」のも花子だから、これも読みやすい。

また、修正後の文では誰の顔面にパンチをしたか明記はされていないが、主語が花子で出迎えられたのが太郎だから太郎がパンチされたと想像できる。

こんな形で、基本的には

・一文は短く
・主語が変わるなら文を区切る

ということに気を付ければ相手に伝わりやすい文になるだろう。

■専門用語を使いすぎ

続いて専門用語使いすぎ問題だ。

同じ専門領域で仕事をしていて共通の認識であることをお互いが分かっている語句であれば使っても何ら問題ない。

しかし、別の領域で仕事をしているのであれば、たとえ同じ会社の社員であっても共通の認識ではない語は山ほどある。

そして分からない用語が少なければ前後の文脈で推測できたり、全体の理解には差し支えないレベルだったりするが、一文に2個以上あると途端に意味不明になる。

・述語が理解できない語句だと一気に理解できなくなる。

特に主語以外の語句が分からないと一気に難解な文章が出来上がる。

たとえば有名な数学の問題にポアンカレ予想というものがある。

単連結な3次元閉多様体は3次元球面 S3 に同相である。

ポアンカレ予想

高校数学までしか学習したことのない人であれば

・単連結
・3次元閉多様体
・同相

が理解できないだろう。このように、一文に意味不明な単語が2つ以上出てくるとその文章は全く理解できないことになる。

特にこの文では述語※の「同相である」が分からないため、より一層意味不明である。

もし「同相である」が「等しい」なら、何かよく分からないものと3次元球面は一緒なんだな、というなんとなくの理解はできよう。

※述語ではないかもしれない。日本語の文法用語が分からない・・・

■投影資料の文を読まない

最後に、プレゼン等、何か資料を使って発表するときのシチュエーションだ。

パワポ資料の場合、たいていスライドには図表だけでなく文章が記載されていることが多いだろうが、これを読まずに発表すると途端に分かりづらくなる。

人間は何か書いてあれば読みたくなってしまう生き物なので、スライドに何か書いてあったら発表者の発言を待たずにざっと目を通してしまう。

そして「基本的にはここに書いてある内容が読まれていくんだろうな」と予想して発表を聞き始める。

そこで発表者がスライドの文を何も読まないと「これはいつ読まれるんだ?」と思いながら発表者の発言にも注意を向けなければならなくなる。

これは脳のメモリをめちゃくちゃ使うので非常に疲れるのだ。

発表する側の立場に立つと「スライドに書いてあることはみんなに見えているのだから、ただそれをそのまま読んでも仕方がないよな。」と思ってしまうのだが実は違う。

むしろスライドに書いてあることを全部読むことこそ正義なのだ。

もちろん、スライドに書いてあることしか読まないのであれば発表する意味がないので、スライドに書いてあることの補足だったり図表の解説だったりをすればよい。

もし「うーん、これは発表するとき言わなくてもよさそうだな」と思ったならその文は削除したほうがいい。

質問されたとき用に手元の資料には残しておけばよいのだ。

■まとめ

以上、ビジネスシーンで伝わらない話し方だ。

もちろんこれ以外にも伝わらない・伝わりにくい話し方はあるので「話が分かりづらい人の特徴」「話が分かりやすい人の特徴」を常に探してみると、自分の話し方に活かせると思う。

以上。

コメント

タイトルとURLをコピーしました